ハードウェア / ESP32

ESP32で卓上ロボットをAI化するには?LEDから始める6段階の制作ルート

ボタンで反応し、小さな画面で笑い、声や動きが少しずつ増える。卓上AIマスコットは、一度に全部を完成させなくても始められます。

編集:Noveruna / 確認日:
公式資料・販売情報に基づく判断ガイド。実機の使用レビューではありません。

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作り方・選び方の提案

ボタンを押すと返事をして、画面の顔が笑う

机の端に置いた小さな顔に、ボタンで話しかける。PCのAIが短い返事を考え、画面に文字が出る。音声を足せばしゃべり、サーボを足せばうなずく。そんな卓上マスコットを、ESP32を入口にして段階的に作る構成が考えられます。

最初から全部そろえる必要はありません。ボタンで表情を変えるだけでも、机に置ける一つの作品です。会話が欲しくなったらAIと接続し、動きも欲しくなったら駆動部品を追加します。カメラは必須ではありません。

この記事は公式資料をもとにした構成・購入判断のガイドです。実機を使ったレビューや、この通りにつなげば動く配線手順ではありません。ボードや部品の型番を決めたら、その組合せに対応する公式サンプルとピン配置を確認します。

作り方・選び方の提案

ESP32が身体を受け持ち、PCや外部AIが返答を考える

ESP32は、ボタンやセンサーを読み取り、Wi-Fiで情報を送り、画面・LED・音声・モーターを制御します。日本語で自由に会話するための高度な推論は、PC上のローカルLLMやクラウドAIへ任せる構成を基本にします。

ボタン・マイク・センサーからESP32の入出力・通信機能に入力し、Wi-Fiを通じてPCまたはクラウドで音声認識・LLM・音声合成を行い、ESP32経由で音声・表情・サーボに出力する構成例。高度な推論は外部で行い、サーボ用電源は仕様を確認する。
ESP32が入出力と通信を担当し、高度な推論を外部に任せる構成例。

音声会話では、①音声を文字にする音声認識、②返答を考えるLLM、③文字を音声にする音声合成を分けて考えます。マイクを接続しただけで、この三つが完成するわけではありません。

図はPCを仲介にする構成例です。PC側のプログラムが音声や返答の形式をそろえ、ESP32へ文字・音声・表情の指示を返します。ボタン入力と文字表示から始めれば、音声認識と音声合成は省略できます。特定の実装ではESP32からクラウドへ直接接続する方法もありますが、そのサービス向けの通信処理や認証が必要です。

例えばLM Studioは、PC上のローカルLLMをAPIで利用し、同じ家庭内ネットワークのIoT機器から呼び出す使い方を公式に案内しています。これは接続先の選択肢であり、ESP32向けの完成マスコットアプリではありません。[1]

出典・確認先:LM Studio:Serve on Local Network(2026-09-11確認)。

作り方・選び方の提案

LEDから始める、卓上AIマスコットまでの6STEP

以下は制作を小さく区切るための提案です。表示や音声が組み込まれた製品なら、部品購入を減らしながら同じ順で機能を確かめられます。

STEP 1 LED / ボタン:押すと反応する

ボタンを押すとLEDが光る、点滅の仕方が変わる、といった短いプログラムから始めます。書込みと入力・出力の関係を覚える段階です。内蔵LEDやボタンの有無は、同じESP32系でもボードごとに違います。

  • 必要なもの:開発ボード、データ通信対応USBケーブル、PC。外付けならLED・抵抗・ボタン・配線も用意。
  • 到達点:押したら狙いどおりに反応し、電源を入れ直しても動く。

STEP 2 小型画面:笑顔や眠い顔を出す

OLEDや小型LCDで、目と口を描いてみます。ボタンで笑顔と眠い顔を切り替えるだけでも、マスコットらしさが出ます。画面付き製品なら、その製品の表示サンプルから始められます。

  • 必要なもの:対応する表示装置、接続部品、表示用ライブラリ。画面搭載済みなら追加画面は不要。
  • 到達点:表情と短い文字が読める。画面の解像度・ドライバ・接続先を確認できる。

STEP 3 マイク / スピーカー:録音と再生を確かめる

まずは短く録音し、録音済みの音声を再生します。この段階の目標は音が入る・出ることです。日本語を認識させたり、AIに返答させたりする処理は、次の段階で加えます。

  • 必要なもの:マイク、対応する音声出力回路、アンプ・スピーカー、十分な電源。音声搭載済み製品なら専用サンプルを確認。
  • 到達点:録音と再生を別々に確かめ、扱える音声形式と音量が分かる。

STEP 4 Wi-Fi:PC・LLMへつないで返答をもらう

最初はボタンから短い決まった文章を送り、返事を画面に出す構成でも十分です。その後、録音を音声認識へ渡し、LLMの返答を音声合成で読み上げます。工程を一つずつ増やすと、困ったときに確認箇所を絞れます。

  • 必要なもの:日本での無線利用を確認した本体、Wi-Fi、稼働中のPC、仲介プログラム、利用するAI処理。クラウド利用なら対応APIと認証。
  • 到達点:入力に返答が戻る。接続できないときや待ち時間が長いときも、画面で状態が分かる。

STEP 5 サーボ:うなずく動きを足す

会話が安定したら、首を振る、少しうなずく動きを足します。電源と機械的な固定が新しい課題になります。LLMの文章をそのまま自由な角度へ変換せず、実装済みの「うなずく」「正面に戻る」などに動作を限定する設計が考えられます。

  • 必要なもの:対応サーボ、規定に合う電源・接続回路、固定部品やケース。
  • 到達点:指定範囲で動き、ケースやケーブルに当たらず、停止操作ができる。

STEP 6 卓上AIマスコット:毎日置ける形に整える

待機・録音中・返答待ち・再生中を表情やLEDで示し、停止・消音の操作を用意します。ケースで部品を固定し、電源ケーブルを無理なく配置すれば、使う場面が具体的になります。電池運用やカメラは、必要性が見えてから追加できます。

  • 必要なもの:用途に合うケース、電源の取り回し、分かりやすい操作。電池は対応製品・充電方式を確認。
  • 到達点:使い始め方と止め方が分かる。音声や動きが不要なら、途中の段階を完成形にしてよい。

基板やプログラムが動いたら、筐体や前面パネルの作り方も選べます。レーザー加工機と外注、3Dプリント・既製ケース加工の比較では、平面の側板と曲面のロボット外装を分け、加工機を買わずに進める方法も整理しています。

公式資料から確認

ケースと動く部分まで入った製品から始める方法もある

「ESP32だから、裸の基板から全部配線しなければいけない」ということはありません。M5StackのStackChan(K151)は、ESP32-S3に画面・マイク・スピーカー・カメラ・センサーを組み合わせ、2軸サーボとケース、550mAh電池まで備えた製品例です。[2]

国内販売元スイッチサイエンスのM5STACK-K151は、2026年9月11日確認時点で税込18,150円、送料別。販売ページには在庫表示があり、USB-A-Cケーブルの同梱も記載されています。価格と販売状況は取得時点の情報です。[3]

これで部品選びやケース製作は減らせます。ただし、好みの日本語会話、性格設定、手持ちPCのLLMとの接続まで自動的に完成するわけではありません。使用するファームウェアと接続サービス、設定を確認します。

メーカーのStackChanアプリは純正StackChanコアを対象とし、通常のCoreS3などとは対応が異なります。また、開発者コミュニティのStack-chan用ファームウェアを書き込むと、工場出荷ファームウェアは置き換わります。似た製品名だけで対応を判断しないことが大切です。[2] [4]

製作者のStack-chanリポジトリでは、ファームウェア・ケース・回路図がApache License 2.0で公開されています。自分で作るルートもありますが、ケースv1の例ではCoreS3、対応基板、サーボ2個、造形部品などが必要です。古いケース例の部品表を混ぜず、選んだ版を一式で確認します。[4] [5]

出典・確認先:M5Stack:StackChan K151 / K151-Rスイッチサイエンス:M5StackChan AIデスクトップロボットStack-chan:製作者・コミュニティ公式リポジトリStack-chan:Case v1.0 DYNAMIXEL版(2026-09-11確認)。

作り方・選び方の提案

ローカルLLMとクラウドAIは、運用の負担で選ぶ

返答を作る場所の選び方
構成向く条件確認する負担
PC上のローカルAI手持ちPCを使い、音声や文章の処理場所を自分で管理したいPCの稼働・電気代、メモリ、モデル、音声処理の設定
クラウドAI外部の推論サービスを接続先にしたいAPI料金、通信、送信データ、利用上限、サービスごとの条件
組み合わせ音声処理はPC、返答作成はクラウドなど分けたい処理ごとの接続先・形式・費用の管理

ローカル構成の一例は、PC側の音声認識で入力を文字にし、LM StudioのLLM APIで返答を作り、VOICEVOX ENGINEなどの音声合成で読み上げ音声を作る方法です。VOICEVOX ENGINEはHTTPで文字から音声を作る仕組みを公式に公開しています。実際の接続には仲介プログラムと形式の調整が必要で、音声の利用条件も確認します。[6] [7]

PCが停止・スリープしていると、PC側処理を使う返答はできなくなります。全処理をローカルに置く場合も、モデルや音声エンジンの準備は必要です。「ローカルLLMだから準備も電気代もゼロ」とは考えない方がよいでしょう。

LM Studioを家庭内LANから使う場合は、API認証を有効にし、接続範囲を限定します。公式もlocalhost以外へ公開する際の認証を推奨しています。最初の制作に、インターネットからアクセスするためのポート開放は必要ありません。[1] [8]

出典・確認先:LM Studio:Serve on Local NetworkLM Studio:Local LLM API ServerVOICEVOX ENGINE:公式リポジトリLM Studio:Authentication(2026-09-11確認)。

公式資料から確認

ESP32内の小規模AIと、自由会話を分けて考える

ESP32側にも、小さなモデルを使うAI処理の選択肢があります。EspressifのESP-DLでは、ESP32-S3などを対象に顔・手の検出やジェスチャ分類などの例が公開されています。使うモデルとボードのメモリ、対応SDKを確認する必要があり、大きなLLMで自由会話する用途とは分けて考えます。[9]

音声も機能ごとに違います。公式ESP-SRには日本語の「こんにちは ESP」を検出するWakeNetの例があります。一方、MultiNetの定型コマンド認識は英語・中国語が対象です。日本語の呼びかけを検出できることは、日本語の会話を自由に文字起こしできることを意味しません。[10]

公式の組込みTTSガイドは中国語のみの対応を記載しています。ウェイクワード学習用の日本語TTSデータ生成と、装置内での日本語読み上げも別の機能です。日本語会話を目標にするなら、音声認識と音声合成をPCや外部サービスへ分担する方針から始めます。[11]

C3向けにも負担の小さいWakeNet9sがありますが、S3の音声処理一式をそのまま使えるという意味ではありません。ESP32・S3・C3を一括りにせず、採用するサンプルが対象にしているチップとメモリ条件を確認します。[10]

出典・確認先:Espressif ESP-DL:Model ZooEspressif ESP-SR:公式リポジトリEspressif ESP-SR:TTS Speech Synthesis Model(2026-09-11確認)。

作り方・選び方の提案

買い足す前に、電源・費用・録音範囲を決める

総額は、本体+不足する入出力部品+駆動と電源+ケース+必要ならPC+継続費で考えます。搭載済み部品や手持ち品は二重計上せず、価格不明のものを0円で埋めません。基板だけの安さと、動いて会話する完成形の安さは別です。

  • 音声:マイクだけでなく、出力回路・アンプ・スピーカーが必要になる場合があります。電源や対応ライブラリも確認します。
  • 駆動:サーボの信号線と動力用電源を区別します。GPIOからモーターの電力を供給しないでください。必要な電圧・電流は部品ごとの仕様に合わせます。
  • 継続費:クラウドは音声認識・LLM・音声合成の課金条件を個別に確認。普段使うチャットの月額料金だけで、外部アプリのAPI料金まで含まれるとは判断しません。
  • 録音・撮影:同居人の声や室内画像をどこへ送るかを決めます。録音中の表示、停止・消音操作を用意し、カメラは必要な用途だけに追加します。

サーボは動いた瞬間や負荷がかかったときに電流が増えます。Adafruitのサーボドライバ資料も、電源不足による電圧低下やマイコンの再起動等を説明しています。資料の回路をそのまま別のESP32ボードに転用せず、選んだ電源・部品の仕様を確認します。[12]

可動範囲も製品ごとに確認します。StackChan公式には、通電状態が不明な可動部を手で強制回転させないことや、縦軸の推奨角度が案内されています。AIの返答が変わっても、装置の動作範囲は越えない設計にします。[2]

基板のUSB電源が5Vでも、GPIOへ5V信号を入れてよいとは限りません。技適を含む日本での無線利用、3.3V / 5V、USB・ピン配置の買う前の確認は、ESP32を始めるための購入ガイドで整理しています。

出典・確認先:Adafruit:サーボドライバの電源と接続M5Stack:StackChan K151 / K151-R(2026-09-11確認)。

作り方・選び方の提案

まず「顔が反応する」ところまで作りたいなら、始める価値がある

表情を変える、声を出す、少し動かす。その一つずつを作る過程も楽しみたいなら、ESP32は卓上マスコット作りの入口になります。配線より会話の設定に興味があるなら、画面・音声・ケースを備えた製品から始める方法もあります。

反対に、買ったその日から設定なしで日本語会話を楽しみたい、PCを稼働させたくない、継続費や調整時間をかけたくない場合は、開発用ボードの購入をいったん見送る判断も自然です。まず手持ちPC上で音声AIを試し、机の上に実物の顔や動きが必要だと感じてから本体を選べます。

この構成での会話の待ち時間、認識精度、音質、電池寿命は実測していません。必要部品の対応を確認し、STEP 1から小さく完成させることを優先してください。

次に決めたいことから読む

ESP32の全体像と、作れるものを見る

出典と、まだ確認できていないこと

仕様・価格・在庫表示は確認日時点のものです。構成例や制作の順番はNoverunaの提案であり、実機での性能測定ではありません。

未確認事項(UNKNOWN)
  • 構成例での実際の会話遅延、日本語音声認識精度、音質
  • 対象PCとモデルを組み合わせた処理速度・同時動作の安定性
  • 各製品の実運用時の電池寿命・連続稼働時間
  • 任意のマイク・サーボ・表示装置との互換性
  • 利用量によって変わるクラウドAPI費用

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